レポート

【証券アナリストが語る】資産運用としてのクラウドファンディング投資はアリ?

老後の生活費や人生における様々なライフイベントにかかる出費に備え、資産形成を行う必要性は年々高まっています。
誰しも一度は将来の資金準備に悩んだことがあるはず。

今回は、IRコンサルティング事業を20年以上続けている株式会社インベストメントブリッジ所属のアナリスト・森本章が資産運用の重要性を説明した後に、投資手法の一つとして今注目されるクラウドファンディングを紹介します。

資産運用とは

資産運用とは、自身の持っている資産を預貯金や投資を行うことで効率的に増やしていくことです。特に、低金利時代が長かった日本において貯蓄以外の投資手法が非常に重要といえるでしょう。資産運用を行うことで、老後の生活費、様々なライフイベントや予期せぬ出費に備えることが可能となり、経済的な安心感を得られます。また、複利効果を最大限享受するためにも、長期的な視点を持つことが必要です。一時的な市場の下落に対しても長期投資を行っていればリスクを軽減することができます。

証券アナリストが解説!投資時のポイント

投資を始める際に、意識したいポイントは4つあります。

①インフレ・円安リスクに対抗

1つ目は、投資はインフレや円安リスクへの対応策であるということです。
2023年のインフレ率は、対前年比で3.27%でした。また、執筆現在、1ドル150円、2024年1月は140円台でした。つまり、約10%の値下がりです。このように、インフレや円安から、日本円で給料をもらい日本円で貯金をしているごく一般的な日本人の資産は減っているのです。
他にも、現在価値と将来価値といった考え方があります。
例えば、現時点での100万円と10年後の100万円では価値が異なります。この場合、金利を1%と仮定すると10年後には約10万円の損失が生まれていることになります。つまり、10年後の100万円よりも現時点での100万円の方が価値が高いです。
インフレや円安時代において資産運用をせず、金利の低い預貯金のみで資産を形成していくのは、それだけでリスクと言えるでしょう。

②投資は余剰資金で

2つ目は、投資は余剰資金で行いましょう。
生活費などを投資に回してしまうと突然の出費に対応できません。また、市場の変動や経済の変化によって投資資金が減少した場合、生活が大きな影響を受けてしまいます。
もしあなたが、生活費を切り詰めて何とか10万円を捻出したとしましょう。ところが、突然リーマンショックのような下落相場に襲われ、一瞬で消えてしまったとしたら、資金的に、精神的に耐えることができるでしょうか?

③長期投資

3つ目は、長期投資です。
まず、投資は運用期間が長くなればなるほど、年平均の収益率は安定していく傾向があります。つまり、長期投資を行うことでリターンの振れ幅を小さくできるのです。

投資信託協会の図表を参考に作成

1年目と比較しても、長期で継続したほうが最高と最低の開きが徐々に小さくなり、プラスの値に落ち着いています。
さらに、長期投資は数年、数十年規模での値上がりを期待する手法であるため、一時的な値動きに対して敏感になる必要はありません。そのため、精神的な負担は少なく日常生活や仕事にも支障が出にくいといえるでしょう。
もっとも、複利効果を最大限享受するためにも長期投資を心掛けたいですね。

④分散投資

最後は分散投資です。
分散と一口に言っても、地理的な分散や時間軸、銘柄等様々な観点からの分散が望ましいです。日本の年金を運用しているGPIFのポートフォリオも、国内債券、外国債券、国内株式、外国株式に等しく分配しています。
ここでは、年代別のポートフォリオの考え方を説明します。特に、若い世代であればリターン、リスクがともに比較的大きな株式の保有比率が多少高くても問題ないでしょう。なぜなら、長期投資が可能であるため、たとえ一時的な下落が起きたとしても継続して投資し続けることで損失を平準化することができるからです。
年代が上がるにつれて、債券や金といった安全資産の保有比率を高めていくことがセオリーです。

初心者はクラウドファンディングも投資の選択肢

様々な投資手法がある中、クラウドファンディングは初心者にとっても参入障壁が低いです。そもそもクラウドファンディングとは、「群衆(クラウド)」、「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指しています。
主に資金調達といえば、銀行など金融機関からの借り入れや、ベンチャーキャピタルのような投資会社からの出資をイメージするでしょう。クラウドファンディングは不特定多数の投資家から資金を集めるため、既存の方法よりも速やかに調達しやすいのです。
投資家としては、少額からスタートできるお手軽さや、ユニークなプロジェクトに投資できる点が魅力です。また、クラウドファンディングには様々な投資パターンがあるため、分散投資の一環として活用すればポートフォリオのリスクを管理できます。市場動向を踏まえた上で、適切なプロジェクトを選ぶことにより、中長期的な資産形成に寄与する可能性があります。

クラウドファンディングのリスクと対策

クラウドファンディングには、比較的高いリターンを求めることができる半面、同時にリスクも存在します。大きく3つのリスクについて説明します。
1つ目は、元本割れのリスクです。プロジェクトが計画通りに進行しない場合、投資した資金が失われる可能性があります。
2つ目は、流動性のリスクです。融資型等のクラウドファンディングであれば運用する期間が定められているため、原則として途中解約が認められません。
不動産型の商品であれば、売買は売り手と買い手のニーズがマッチしなければいけないため、償還時に必ずしも売却できるとは限らない点も押さえておきましょう。
最後に3つ目は、サービス運営側の安全性リスクです。架空のクラウドファンディング業者による詐欺被害も一部報告されているため、運営母体や過去実績を確認したうえで安心できるサービスを利用しましょう。

クラウドファンディングを始めてみよう

リスクと対策を踏まえた上で、クラウドファンディング投資を始めることには多くのメリットがあります。例えば、少額から始められるため、初心者でも気軽に投資を開始できる点が魅力です。また、投資後の運用に関わる手間が少ないため、忙しい人でも取り組みやすいです。
クラウドファンディング投資は、株式や債券投資と言った伝統的な投資手段に加えて新たな投資機会を提供し、長期的な資産形成の一環として活用できます。リターンの多角さや経済的な安定を実現するための一助に、クラウドファンディングをポートフォリオの一部として考えてみてはいかがでしょうか。


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 以下に掲げる各商品におけるリスクは、本匿名組合出資に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項でございますが、本匿名組合出資に関する全てのリスクを網羅したものではなく、各出資者は、自らの責任において、必要に応じ弁護士、税理士、公認会計士等の専門家に相談する等して、契約締結前交付書面等に記載された事項その他の事情を慎重に検討した上で投資判断を行ってください。

[貸付型クラウドファンディングにおけるリスク]
①金融商品市場における相場その他の指標に係る変動等により損失が生じるリスク、②営業者の債務不履行に関するリスク、③営業者の破産等のリスク、④他の出資者の破綻のリスク、⑤貸付先の破綻リスク、⑥業務委託に伴うリスク、➆利益の分配、出資金の元本の償還事務に伴うリスク、⑧投資判断に関するリスク、⑨貸付先による期限前弁済リスク、➉借換えリスク、⑪突発的要因に伴うリスク、⑫法律、税制及び政府による規制の変更のリスク

[事業型クラウドファンディングにおけるリスク]
①金融商品市場における相場その他の指標に係る変動等により損失が生じるリスク、②営業者の債務不履行に関するリスク、③営業者の破産等のリスク、④他の出資者の破綻のリスク、⑤業務委託に伴うリスク、⑥利益の分配、出資金の元本の償還事務に伴うリスク、➆投資判断に関するリスク、⑧突発的要因に伴うリスク、⑨法律、税制及び政府による規制の変更のリスク、➉営業者の事業遅延又は中止によるリスク


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